【名探偵コナン】劇場版一括レビュー

ドドドッと観返したのでまとめてみました。

 

※★三段階評価は出来栄えや面白さ、☆は観る甲斐があるという意味でのプラス
※ややネタバレ注意
※ルパコナは除く

 

 

【作品別レビュー】

 

■第1作『時計じかけの摩天楼』(1997年)…★★★
○推理・スケボーアクション・爆発・完全自己都合の動機・ラブコメ、とコナン映画の基礎が確立された作品
○列車を別路線に引き入れたり定番の「赤か青か?」だったり、緊迫感はあるが絵的には地味なシーンをBGMを使って盛り上げる見せ方が見事(ただし後半の挿入歌はイマイチ)
○ラストの蘭の笑顔と台詞が最高オブ最高、コナンが読めなかったというのも含めて良い


■第2作『14番目の標的』(1998年)…★★
○全体的に英理さんがセクシー
○ヘリ操縦はハワイで親父に習ったわけではない(模擬操縦経験が豊富だったため)
○コナン映画における海に出っ張った巨大建造物受難はここから始まる※海に出っ張っていなければ安全とは言っていない


■第3作『世紀末の魔術師』(1999年)…★★★
○OPの「混迷と疑惑の闇に一条の光を!」がかっこいい
○宝探しアドベンチャーの決定版、メモリーズ・エッグの見せ方が美しい
○コナンのフォローをしまくるキッドの献身ぶり


■第4作『瞳の中の暗殺者』(2000年)…★★★
○警察関係者が襲われ蘭が記憶喪失になり…と全体的に重め暗め
○後の『ホームズの黙示録』より遥かにかっこいいと評判の告白シーン
○終盤のコナンの服装は1話で新一がトロピカルランドデートで着ていた服とカラーリングが同じということをご確認ください


■第5作『天国へのカウントダウン』(2001年)…★★★
黒の組織を映画に出したい→原作とはパラレルワールドでいいよね→じゃあアクションももっとかっ飛ばそうぜ!!!みたいなやりとりがあったのかもしれない
○この頃のジン兄貴はまだ自分で撃っていた
○コナンを抱える蘭が聖母子像のようだったり、灰原と探偵団の単なる保護者/被保護者ではない関係構築が核だったりするが、真のヒロインは多分歩美


■第6作『ベイカー街の亡霊』(2002年)…★★
○異色な点は多々あるが最も大きいのは「コナンが仲間を救えない」ところだと思う
○時代を先取りもとい先行しすぎていた感があるコクーン
○優秀すぎて滅多に呼ばれない優作パパ


■第7作『迷宮の十字路』(2003年)…★★
○この頃はまだバイクで線路を走ってはならないというだけの倫理観があった
○地味に人気があるが原作に逆輸入されるまで14年かかった綾小路警部
○平次と和葉を助けるために新一に戻る、というのが実はかなりレアケースであり熱い


■第8作『銀翼の奇術師』(2004年)…★
「ぼくもいく!!!!!!」
○英理さんや目暮警部たちなど登場の必然性がよくわからない
○♪「ぼくがいる」が流れるのはこれだけ


■第9作『水平線上の陰謀』(2005年)…★★★
○「デュアルサスペンス」という煽りがネタバレ
○コナンと小五郎それぞれ自身しか知らない事実が謎解きの過程に組み込まれているのが上手い
○小五郎のおっちゃんのかっこよさでおつりがくる、オススメは当然のように自分より先にコナンを救命ボートに乗せようとするところ


■第10作『探偵たちの鎮魂歌』(2006年)…★
○蘭→和葉→佐藤刑事のコンボをくらったひったくり犯は多分罪状に比べて制裁がきつい度ナンバーワン
○解くべき謎は何か、というところがなかなかわからないので観ていて焦れてしまう
○登場キャラが多く、それぞれに見せ場を作ろうとした結果中途半端になった印象


■第11作『紺碧の棺』(2007年)…★
○子供向けを意識したのか例年に比べると謎解きは平易
○普通に悪いことしているのに、それ以外の連中の凶悪さの方が際立っていて印象が薄い真犯人
○公開時「蘭と園子の友情がメイン!!」と煽られてた割には実際にはそんなこともなく『銀翼の奇術師』の方がまだそれらしい、最初から「宝探しアドベンチャー!!!」という煽りであればいくらかマシだろうがそれだと『世紀末の魔術師』に敵わない、という位置


■第12作『戦慄の楽譜』(2008年)…★★
○ゲストキャラがポスターに大きく載っていて劇中でもコナンとタッグを組んで行動するという珍しいパターン
○コナン以外の探偵団が着ているフォーマルウェアは『水平線上の陰謀』と同じ(カラーリングは微妙に異なる)
○♪「Amazing Grace」はクラシックではない


■第13作『漆黒の追跡者』(2009年)…★★
○『京極さんみたいにライフルは無理だけど、拳銃なら(避けられる)』という蘭の発想が修羅
アイリッシュはジンを恨んでるだけで中身は優秀な構成員だったのに、貴重な人材を無下にする黒の組織は人事どうにかして
○事件自体はあまり面白みがない、ヒントと答えがほぼ同じタイミングで出るので観客が推理する間がない


■第14作『天空の難破船』(2010年)…★★☆
○コナンといちゃいちゃしたりコミカルさが目立つキッドだが、新一を泥棒に偽装した上蘭に無理解の罪悪感を押し付けるのは相当酷い
○新一(変声器越しだが演技としては新一本人)・新一(キッドの変装)・キッド(お仕事ONモード)・キッド(OFFモードつまりほぼ快斗)と山口勝平氏の演じ分けが白眉
○終盤のアイテムとスキルを活かした細かい頭脳型アクションの積み上げが非常に上手い、のだがややカタルシス不足にも感じてしまう


■第15作『沈黙の15分』(2011年)…★
○コナンのスノボスキルはまだしもそれに同乗できる灰原とは
○中盤でオチが読める
○犯人が犯罪フルコースの極悪人


■第16作『11人目のストライカー』(2012年)…★
江戸川コナン史上最大最高にハッピーな「はい!!!(笑顔)」
○珍しくお説教タイムが長い
○ハズレ推理やパニックシーンなど尺配分が下手なのかテンポがイマイチ


■第17作『絶海の探偵』(2013年)…★★
○コナンと博士は海自のみなさんに迷惑かけすぎ
○「繰り返す これは演習ではない」が言いたかった映画
○鼻水垂らしてギャン泣きする和葉がギガかわいい


■第18作『異次元の狙撃手』(2014年)…★★★
○「スナイパーに勝てるのはスナイパーだけだ」が全てを表している
実妹を怪我させられてゴラつきつつこっそりお見舞いに行くお兄ちゃん
○花火ボール初登場+原作に先行したネタ明かしのコンビプレイが熱い


■第19作『業火の向日葵』(2015年)…★
○主題歌♪「オー!リバル」以外褒めるところがない
○上がってきた脚本を監督が膨らませて削った結果別物になったというだけあって全体的に雑
○アートミステリーを謳ってる割に全体的に絵画の扱いが雑なのが一番ダメ


■第20作『純黒の悪夢』(2016年)…★★☆
○ストーリー上必要性がないと評判のジークンドーVSボクシングアクションシーンon観覧車(atでもinでもない)
○苦みの残るエンドもあって高評価をされがちだが、実際には脇役の使い方が割と下手で、展開のために言わされてる台詞やさせられてる行動が例年以上に多い、のはやはり組織絡みだと縛りが多いからか
○主題歌♪「世界はあなたの色になる」まできっちりご堪能ください


■第21作『から紅の恋歌』(2017年)…★★☆
○ネイルもピアスもばっちりの巨乳美人女子高生、というコナンにおいては比較的珍しい属性の大岡紅葉
○ポスターでは鮮やかな着物を着ているのに本編では改方学園ジャージ姿と合気道の道着姿の和葉推せる
○中盤平次と和葉がほぼ別行動になっているのがラストを引き立てていて良い


■第22作『ゼロの執行人』(2018年)…保留
○警察×検察の組織ドラマ+無人探査機の帰還+カーチェイスonモノレールの合わせ技ができるのは劇場版コナンだけ!!!
○安室透/降谷零PVとして非常に有用
○ただし風見の女が大量発生したのは多分想定外

 

思い出補整もあるのであくまでも個人の感想です。
天空の難破船』や『純黒の悪夢』は★★★でつける人も多いでしょう。

 

 

【キャラやシチュエーション別レビュー】

 

かっこいいキッドが観たい→世紀末
コミカルなキッドが観たい→難破船
大阪カップルが好き→十字路・難破船・から紅
尽くす男服部平次が好き→漆黒・絶海
和葉かわいいよ和葉→絶海
かっこいい小五郎のおっちゃんドコー→14番目・陰謀・ストライカー・執行人
目暮警部もイイヨネ!→14番目・鎮魂歌・漆黒・純黒
新一ーーー!!!→摩天楼・14番目・暗殺者・十字路 ※キッドの変装はノーカン
蘭姉ちゃんに蹴られたい→暗殺者・絶海・漆黒・狙撃手
蘭姉ちゃんママー!!→天国・紺碧
蘭と園子の友情を感じたい→暗殺者・銀翼・ルパコナ ※紺碧は特に薦めない
佐藤刑事抱いて→鎮魂歌・紺碧・漆黒・ルパコナ
赤井秀一に抱かれたい→狙撃手・純黒
安室透に抱かれたい→執行人 ※純黒は抱いてくれない
哀ちゃんかわいいよ哀ちゃん→世紀末・天国・鎮魂歌・ルパコナ
コナンと灰原のやりとりが好き→暗殺者・ベイカー街・紺碧・戦慄・沈黙・純黒
少年探偵団と一緒に胸がドキドキしたい→世紀末・天国・ベイカー街・陰謀・鎮魂歌・紺碧・漆黒・沈黙・ストライカー・純黒・執行人
最後まで活きのいい犯人が観たい→摩天楼・14番目・暗殺者・十字路・陰謀・鎮魂歌・難破船・狙撃手
魅力的なゲストキャラ求む→世紀末(お嬢さん系美人夏美さん)・ベイカー街(ショタわちゃわちゃ)・戦慄(ツンデレ系美人怜子さん)・漆黒(劇場版補整を最大に活かした強キャラアイリッシュ)・純黒(何色にでもなれるキュラソー)・執行人(愛が重い人たち)
最後スカッッッとしたい→暗殺者・天国・十字路・狙撃手・から紅

 

 

まとめて振り返ると色々メタ的な繋がりも見つけられます。
○『から紅の恋歌』ラストの爆風加速は『天国へのカウントダウン』から
○『紺碧の棺』でやったカーチェイスがスケールアップして『純黒の悪夢』、冒頭だったのを締めに持ってきて『ゼロの執行人』に
○『異次元の狙撃手』では締めだったコナンのアクションが『純黒の悪夢』ではそのひとつ手前に来ている
○『純黒の悪夢』の予告で「ダブルフェイス」というフレーズが使われていたのが『ゼロの執行人』の「トリプルフェイス」に繋がる

 

時代の変遷も見えてきます。
例えば『天国へのカウントダウン』では、留守電のくだりは一人暮らしでも家に固定電話を引いていることが前提のエピソードですし、最後のカウントダウンはスマホのストップウォッチ機能で事足ります。携帯電話が普及しきっていない、していても小学生は持っていない時代だからこそのワクドキなのです。

 

歴代最高興収記録を更新し続ける劇場版『名探偵コナン』!!!

来年はキッドだ!!!めざせ○○億の男!!!(東宝もお気に入りらしいフレーズ)