【特撮】『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』

2018/8/4公開『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』感想

 

※当然ネタバレしかありません

2018/8/18 追記・修正

2018/8/29 追記・修正

2018/9/11 追記・応援上映感想リンク追加

 

 

 

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『Are you ready ?』

「ダメです!!」

「変身!!!」

 

 

ビーザワンの良いところ~桐生戦兎史上最高に嬉しそうな「変身!!」が見られるところ
初見時の印象は「ノリノリで楽しそう」だったんだけど、二回目観たら「嬉しそう」だなって……わかりやすい…おまえ…わかりやすい……(なおこのあと巻き込み事故を起こす)

 
今作の軸になっているのは「戦兎と万丈の関係性」であり、それ以上に「桐生戦兎の確立」である。
本来の自分と今の自分との間を埋めているものは何か?葛城巧が持たず桐生戦兎が持ちうるものとは?桐生戦兎を桐生戦兎たらしめるものとはなんなのか?
つくられた存在である桐生戦兎を確立させるものは「ヒーローであること」だった。故にヒーロー性が揺らぐときは桐生戦兎も揺らぐ。
しかし今作ではとうとう、桐生戦兎でなくては出会わなかった人たちとの関わりも戦兎が戦兎であることを証明するものなのだということに辿り着く。その中核を成すのが、信じて信じられてきた万丈龍我なのだ。
かといって、桐生戦兎が葛城巧の上位存在であるというわけではない。かつて葛城忍が語った“LOVE&PEACE”が巧の心に刻まれ、記憶を取り戻していない頃の戦兎が無意識にそれを口にする。そしてそれが万丈の中でヒーロー像を構築させる。
葛城巧と桐生戦兎と万丈龍我が折り重なることで、仮面ライダービルドと仮面ライダークローズはヒーローになっていくのだ。


意訳:公式が両想いすぎてツッコミようがない…… ずっとお続けになってどうぞ。

 

ビーザワンは桐生戦兎が「これは俺にしかないものだ」って言えるようになる話なんだよ~~~~~。
自分のもの、桐生戦兎にしかないものなんだ。万丈龍我がではなく、俺とおまえの間にあるものは誰にも阻害されないし奪わせないという心なんだ。自分自身を取り戻しに行くんだ……

 

TV本編で培ってきた戦兎と万丈の並んだ絵面の“勝ち確”力が強すぎて、中盤観ていて全く不安にならず、結果的にカタルシスが弱く感じるのは映画としては予期せぬ失策なのかもしれない。
ルパパトが「こういうシチュと画をぶっ込んだら楽しい」というのを30分間詰め詰めにした作品なので、それと比べるとビルドがやや薄く感じるというのもある。
ただその分“谷”を作っているのが、エボルトや葛城とのやりとりから戦兎の内面を描き出す静かな画作りである。
カミホリさんジトッッッと撮るの好きだよね。そりゃ赤楚くんも石田監督に似てるって言いますわ。
平ジェネFINALでマスターが去った後の置いてきぼりにされた子供のような顔といい今回といい、犬飼くんの「父親に対する息子の顔」がすんごい胸にクる……
戦兎のアイデンティティにまつわるシーンは雨が降る。美空がはたりと涙を零すのといい、これがエモーショナルってやつか… ホント去年のエグゼイドと真逆だな… 

 

内容に触れずに感想を言うと「公式が両想い」になって、これ多分「いつものビルドじゃん」て言われるやつだと思うんですけど、うんそうだねいつものビルドだね~~~!!!!
そこが映画としての強みであり弱みでもあるんだけど、『仮面ライダービルド』を一年観てきた人なら「好き」でしょこういうのってやつ……

例年と比べると情報量少なめなのは、TV本編と連動させて脚本の段階であえて内容を絞ったからじゃないかと思うが、その絞った結果が「桐生戦兎の確立」であり「桐生戦兎と万丈龍我の関係性」ってのが熱いんだよなやっぱ。
「民衆に追われるヒーロー」という構図にはライダーは1人がいいにしても、最後は全員参加バトルとか、夏のライダー映画としてもっと色々派手にやることは出来たと思う。その上で、これが劇場版仮面ライダービルドですって出してきたものが、「桐生戦兎」と「戦兎と万丈」で更に一心同体変身てのがもう~~~最っ高にビルドなんだよなあああ……と頷いてしまう。

 

>「単細胞で筋肉バカでだまされやすい でも誰かの明日のために戦うことができる 俺の大切な相棒なんだよ」
戦兎が万丈を「相棒」と称したところで うがっっっ てなった。
平成ライダーでは、特にダブル以降は主人公にとっての「相棒」ポジションのキャラが多いんだけど、ファンが便宜上そう呼んでるだけで性質はそれぞれ異なるので、言葉に引っ張られすぎだよな~と常々思っていた。
武藤さんは平成ライダーにハマりすぎて平成ライダーを書くことになったそうなので、平成ライダーにおける「相棒」という言葉の意義も感覚的にわかってるんじゃないかと。
なので、本編34話で万丈がエボルトに煽られたにせよ「俺の相棒は桐生戦兎ただ一人だ!!」って言った時は、あっそれ言っちゃう!??!!ってなった。既に視聴者の間では言われていたけど、実際劇中で言われると驚く。そしてこれが間を置いて、映画で戦兎から返ってきたことにちょっと感動してしまった。双方向熱い。相思相愛(広義)

 

 今作におけるビルドの在り様が最も表れている台詞が「俺たちはそんなことのために戦ってるわけじゃない」
つくられたヒーローで、出会いから仕組まれた相棒で、どれだけ戦っても支持されなくて。それでも、ヒーローにならなければ出会えなかった人たちが今の自分をつくっていて、相棒との関係は偽りなんかじゃなくて、誰かの明日をつくることができる。それが愛と平和のために戦う仮面ライダーで、葛城忍と葛城巧と桐生戦兎がつくってきたビルドなんだ。

 

葛城巧が「まさか行くつもりじゃないだろうね」と現れるところで、ああこれは自分への問いかけなんだ…と実感した。
別の人格ではなく、同じ人間の未来に向かう面と過去を憂う面との問答なのだ。誰かを信じられる自分/信じられない自分、信じる自分/信じたい自分、誰かを信じようとする自分を信じられる自分/誰かを信じたい自分を受け入れられない自分。

これは映画とは直接関係ない改めての感想になるけど、戦兎と葛城の脳内同居生活面白いな??ファイナルに木山くん呼んで???

 

あの男は危険だから止めなさいと忠告されるのを俺にはあいつが必要であいつには俺が必要なんだって振り切って行くの、つくづくヒーローとヒロイン(概念)である。
途中一瞬「劇場のスクリーンを使って我々は何を見せられているんだ」という気分にはなった。

 

以下散文的に~

ルパパトとネタかぶってんじゃねーか!!しかも巻き込み事故だよ!!! というか永夢先生とパラドもフュージョンしてたので近年の東映の流行りなの?

「ラビット」「ドラゴン」という音声を何度も聞いてるはずなのに「龍と兎」と言う万丈の言語感覚はちょっとわからない。

事が終わった後、暑いとばかりにコート脱いで手に持ってシャツ腕まくりして歩いてる万丈の万丈らしさ。

犬飼くんがパンフで話していた今回解禁したことというのが最後のアレかね。
→舞台挨拶等で話していた模様>ハイタッチ 脚本のト書きを無視し続けたというのが凄いな…

万丈が言いくるめられてブラッド族側につくんじゃなくて完全操り人形状態なのは、今更何を言われたところで戦兎たちを裏切ったりしないと判断されたんだと思う。

万丈が伊能さんにハザードトリガー渡す時のコートのなびきたっまんないですよネ一億点。

戦兎がゴミ袋を蹴り飛ばすシーン、ストーリー上は必要ないけどキャラ描写としては必要というやつなので、入れたかったんだな~~という制作サイドの意向99%みたいなシーンで好きです。
周りに仲間がいたらやらないであろうことを一人になるとやっちゃう桐生戦兎が好きだよ…

> 7話の万丈「おじさんじゃねえだろ お兄さんだろ…」
>映画の戦兎「おじさんじゃない お兄さんだ」

冒頭の紗羽さん、暑さのあまりダレすぎてるって描写なんだけど、実際の夏が超酷暑だったために、そんなにやりすぎにも見えなくなってしまったのがちょっと面白い。

 地味に研究室にガス仕込んだり小型爆弾作ったりしてる戦兎ェ…ついさっきワンちゃん相手に「こっちおいで いいよもう俺が行くよ」とか言ってたのに…

>「身長活かせよヒゲこら」「黙れチビポテト」

ネタにされがちだけど幻徳さんのいい意味でプライドが無いところとても好き。なんだかんだリーダー向きの人よね。
>「本気を出させやがって」

三都合体マークわかりづらくない?

本編38話でも流れたショパン作曲 ♪ 革命のエチュード、これ革命が失敗した時期の曲なんだよな…(ちなみに曲名をつけたのは別の人であり、ショパンは特に革命を意識したわけではない説が有力)

ブラッド族の“生き残り”って言ってるけど昔はもっといたの?内輪揉めで減ったの??

ぶっ飛ぶときに血飛沫ブシャーなのが悪趣味(褒めてる) 

あいつら地球外生命体なのに人間を精神的に追い詰めるの上手すぎるよな。

万丈にとってはブラッド族って親戚のおじさんみたいなものか。そう考えるとなんかしっくりくる。

松井玲奈ちゃんはもっとえろくてもいいと思いました。もっとえろくてもいい(大事なことなので)

雨に濡れるエボルとブラッドの絵面良すぎる。

ブラッドさんかっこいいし強いんだけど出番が多くないので見せ場に欠けるのが惜しい。

伊能さんも葛城パパも「万丈くん」て呼んでくれるのが丁寧。

他人と意識を共有したor乗っ取られた状態で戦うヒーローが着実に増えていく昨今だが、そうなるとやはり計7人に乗っ取られた経験を持つ野上良太郎パイセンは格が違うな…

ジオウさん声が若いのできっと中身も若い(公式設定で18歳である)
→中の人17歳だと…

 

 

ご丁寧にも上映前にエンドロールが終わっても席を立たないようにと注意文が出た。

 

映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』12/22公開!!!

 

昨年「平成終わるのか!!冬映画は翌年度換算だから今回で平ジェネは最後だな!!!」と『FINAL』と銘打ったのに平成31年が4ヶ月も続くことになったため、しれっと『FOREVER』と出してくる図太さ、これぞ平成ライダーである。

 

 

2018/9/10 応援上映感想はこちら

colorablenote.hateblo.jp