【特撮】『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER』

2018/12/22公開『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER』感想

 

 

 

※当然ネタバレしかありません
※まとまっていないほぼ箇条書き感想
※ビルド関連多め

 

 

 

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「現実とか虚構とか、関係ない!!」
「俺たちは実際にここにいる 今、ここにな」

 

 

 

 

仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER』
仮面ライダーって虚構なの?冬のW変身まつり~ ☆


山口監督おつかれさまです… TV本編でも思うけど下山さんは本当に研究してるよなあ。

 

☆W変身まつり~
ジオウ&ゲイツ(内1回は未遂)・ビルド&クローズ・ラビラビ&クローズマグマ・グリス&ローグという特大サービスぶり。

 

 

デンライナーのBGMがかかるところで本物きたあああああ!!!!!と大興奮。
電王の放送終了後の客演てほとんどデンライナーが便利アイテム扱いされてるだけだったんですが、今回は電王の基礎設定をきっちり踏まえていて感動しました。っていうかなんでももっと早くこういうのできなかったんですか白倉さん。
劇場内がドオオンと湧いた。U良太郎相変わらず腰のS字カーブが完璧だな……
健くんが今年ガンガン仕事を入れるスタンスだったのとも奇跡的にマッチングしたのかもしれない(ずっと基本的に掛け持ちはしないスタンスだったけど、20代最後の年ということでアレコレやるようにしてみたらしい)
素の良太郎見たかったけどU良太郎だけなのは今の健くんだと合わないからかなあ良太郎って年とったところ想像しづらいよなあ…と思っていたら実際に健くん発案だそうで。個人的には年食ったヒーローなんて見たくないと思っているので、佐藤健やはり信頼できる男。むしろ10年ぶりにU良太郎をやってそのクオリティはなんだ。
健くんの出演抜きにしても、ジオウの電王編として凄く良く出来てるんですよ… 小さいお兄ちゃんが大きい弟を守ろうとするところとか、あのじわっとくるあったかさがまさに『仮面ライダー電王』なんですよ…
そうか良太郎も特異点だから歴史改変の影響を受けないのね。白倉さんが電王を特別枠扱いした真の理由はこれか。電王勢がターミナルにいたのもティードから隠れるため?
アナザーライダーを倒すにはそのライダーの力でなくてはならないがアナザーが生まれた時点で消えてるので力を継承したライダーアーマーで戦わないとならない、というジオウの番組ルールを、特異点によって存在を保持されてるので電王は消えない!という電王の番組ルールで飛び越えてアナザー電王倒しちゃうの、設定噛み合わせのレベルが高い…
「記憶っていう時間の中で、僕たちの存在は本当なんだよ」
「俺たちもおまえを忘れるかよ 良太郎」 U良太郎が最後一瞬だけ良太郎に戻るんだ…
仮面ライダーに会いたい」だけであそこまで叶えてくれるフータロスはイマジンの中でも超有能&親切なやつだよね。

 

 

クウガも電王もダブルも観てなくても映画としては問題ないけど、全部知ってるとちょくちょく心がジリジリくる…
日本アルプス 九郎ヶ岳遺跡 02:33pm』って時刻まで出るのはクウガ本編演出なんですけどわかりづらい。
純粋にタイムマジーンで時空間移動したときはジオウ演出(西暦が背景に映り込む)で、電王のライダーチケットを持って時間移動したときは電王演出(年月日が金文字でドン)なの細かい。わかりづらい。
アナザークウガは終盤でパワーアップするんだけど、クウガ観てない人にはあれなんか見た目変わったなと思うんですかね。出てきた瞬間アルティメットだああああああと声なき悲鳴をあげましたよ私は。なんで目が赤いの!!!!!!!!
クウガがマイティキック決める前後だけバックが青空になるのずるいでしょ~~~…………
クウガと電王だけ専用BGM流れるのずるい~~って思ったけどクウガも電王もジオウも佐橋さんじゃん。ぐう。

 

 

序盤のジオウ&ゲイツVSアナザー電王とビルドライダーズVSアナザーダブル、ちょっとヒーローショーっぽいアクションになってるのな…
アナザー電王が肩をグルグル回す例の仕草しててああ~~~ってなった。
「多分だけど、ちょっと違ったぞ」>Wキック
登場順~エグゼイド&ゴースト→ダブル→クウガ→キバ&鎧武→ウィザード&龍騎&アギト→響鬼ブレイドファイズ→カブト&フォーゼ&ディケイド→オーズ&ドライブ→電王
エグゼイド&ゴースト…直近のレジェンドつながり
ウィザード&響鬼龍騎…炎使いつながり
キバ&アギト…夜間戦闘が似合う敏樹ライダーつながり
ドライブ&ファイズ&カブト…スピードライダーつながりっていうかしれっと出てくるアクセルフォームはディケイドといいキャラ立ってるな。
鎧武&オーズ&ブレイド…人間やめ(かけ)たライダートリオやめーや。
ジオウ&ビルド、ダブル、電王、ディケイド、クウガは特別扱い。 あれフォーゼはなんだ。
ジオウ&ビルドのところに真っ先にバイクで駆けつけるのがエグゼイド&鎧武&ゴーストという平ジェネFINAL勢なの細かい。オーズは仕方ないだろライドベンダーはあんなジャンプできないんだよ!!!
ライダーキックラッシュ熱い!!~龍騎\ファイナルベント/→オーズ「セイヤーーー!!!」→ゴースト\オメガドライブ/→フォーゼ「ライダーロケットドリルキーーック!!」→エグゼイド\マイティクリティカァルストライク/→ブレイド\ライトニングブラスト/&アギト&響鬼→ダブル\マキシマムドライブ/&ディケイド&電王\フルチャージ/→ウィザード&キバ\ウェイクアップ/→ドライブ→鎧武→ファイズ&カブト→クウガ/ジオウ&ビルド
ウィザードとキバのダブル夜キックかっこよすぎするい。

 

 

ソウゴ…ちゃんと勉強すればA判定
ゲイツガリ勉努力型
ツクヨミ…頭使うの苦手 ってイメージそのものは本編に沿ってるよね。
冒頭のジオウ&ゲイツVSアナザー電王の後、ゲイツは最初ソウゴを見張るって言ってたくらいなんだから姿が見えなくなったら捜すのは当たり前なのに、わざわざ「別におまえを心配してたわけじゃ」とか言い出しちゃうところが現時点でチョロ甘ツンデレヒロイン度MAXでこの先心配だよゲイツくん。ソウゴもニヨニヨするのやめなさい!!
ゲイツツクヨミに対しては兄なのか父なのかそうじゃないのかどうなんだ。
TV本編と映画を合わせるとソウゴってゲイツツクヨミのことめっちゃくちゃ好きだよな…ってなる。
ソウゴとゲイツツクヨミのトリオが好きでずっと3人でわちゃわちゃしててくんないかなって思い始めてるんですけど、未来から来ているということはつまり(ハグプリを見やる)

  

 

ソウゴの帰宅ルート、冒頭ではラストやTV本編EP01とは逆になってるのよね。
ビーザワンでもツッコまれてたけど戦兎はなんであんなコントっぽい走り方するの。
「よかったぜ~ 俺たちだけ世界に置いてきぼり喰らわなくってよ」
子役が安定の上手さ…と思ったらオロCのCM出てた子なのか。高校生に対してちゃんと「お兄ちゃん」の顔するんだよなあ。
アタルがシンゴに「よっ 少年もライダー好きなの?」と話しかけるのはヒビキさん。
クウガ超楽しみ」ってことはCMや雑誌で見て知ってるのかな。
しかしシンゴは正真正銘7歳なのにしっかりしすぎでは。
冬になるとマシンビルダーに一人で乗せてもらえるクローズくん。
面白便利ガジェットは色々創るのに2台目のマシンビルダーは創ってくれない戦兎。
ソウゴはタイムジャッカーぽさをどこで判別してるんだ。 …服装?
「キバの音也だったらすっごいレアだなって」(笑う場内)
ティードさんぶっちゃけ大東くんの怪演で4割増しくらいに強く見えてるところはある。
エキストラ撮影楽しそうだな~~~。
「天っ才物理学者と未来のマシン ベストマッチだ」
レイドボスだこれ。
エンドロール、基本フォーム・最終フォーム・第1話+印象的なシーン、あたりからのセレクトですよね。加賀美がいて嬉しい。

 

 

 

難を言うなら、事前情報だとメイン格扱いっぽかったダブルが実際にはそれほどでもないところだろうか。
同じように告知されていた電王が、オリキャス云々抜きにしても電王の基礎設定を踏まえたとても良い客演だったので、余計に宣伝と実態のちぐはぐさが目立ってしまう。
ウォッチとアナザーライダーとライドアーマーが出揃うという点だけ見ればクウガと同格なんだが、こっちは平成ライダーの起源扱いだからなあ。
ダブルもオリキャスを出したかったという記事も読んだけど。
でも正直クウガ電王ビルドジオウだけでストーリー的には事足りててダブル要素別に必要なくないか。

 

 

↓ここからビルド(長い)↓

 

 

ビルドキャストが脚本の違いについて触れてたけどそんなに気にならなかったかな。実際に台詞を口にする段階で役者や監督の微調整が入ってるんだろうとは思う。
TV本編EP01-02ではジオウのストーリーフォーマットを見せなければいけない+おそらく脚本の進行が同時期だったためにビルドっぽさを出しきれなかったのを今作で補填したと言える。

 

 戦兎は後輩感がないまま先輩になってしまったな… 平ジェネFINALのビルドは実質先輩枠だったからなあ。クローズが迷える子羊くん。
ビルド枠内だとメンタルアップダウンの激しかった戦兎がしっかり後輩を導く先輩になっているのは感慨深い…


平ジェネFOREVERの桐生戦兎、予告の段階では「また雨に降られてる」「洗脳されたり存在が消えたりアイデンティティは踏むもの」と不穏さ満載だったのに、実際公開されたら、後輩には「そのうちわかるよ」と前方先輩面をし、ビルド顔のタイムマジーンで暴れ回り、後輩と大先輩と共にラスボスにキックを入れ、要所要所でベストマッチハラスメントをして2ケツで去っていく、という歴代冬映画の先輩枠の中でもトップレベルのやりたい放題だった。
桐生戦兎が出せるもの全部出した感すごい… 元々頭の回転早いしメカいじり出来るし使いやすい人材ではあるんだよな。
一年かけてアイデンティティを踏まれまくったおかげで鍛え上げられてしまった上、そのアイデンティティを保持し合う相手が世界線を飛び越えても一緒にいるという保障を得た後なので、常時無敵モードであった。


洗脳される→しばらく前にやった
多次元世界間の行き来→去年やった
謎タワーが生えてくる→こないだまで見てた
未知のメカを動かす→去年やった
世界改変→こないだ自分でやった
創られたヒーロー→仲間が俺を創ってくれたんだ
人々から忘れられる→ベストマッチな相棒が覚えていてくれるならそれでいい
実質『仮面ライダービルド』2周目。


逐一精神攻撃仕掛けてきたり寝そべりながら10分おきにブラックホールで地球吸い上げたりする凶悪宇宙人と一年間やりあってきたことを考えたら大概の奴は「アレよりマシ」ってなるよな……

 

戦兎には洗脳が効かなかったの、何かしら理由付けをするなら、桐生戦兎の存在自体が世界に結びついていないから、とかかなあ。無いものは失くせない。
仮面ライダーは虚構の存在なのか?というテーマはビルド及び桐生戦兎と上手く噛み合っている。
“創られたヒーロー”でありスクラップ&ビルドを繰り返して“桐生戦兎”を確立したからこそ、現実でも虚構でも関係ない、自分たちを覚えていてくれる人がいるのなら、と重みを持って言える。
時間とは記憶の積み上げであり覚えていてくれる誰かがいるならそこに自分はいる、という電王の時間理論と、自分を自分と認識している誰かによって自分は創られる、というビルドのアイデンティティ理論をベストマッチさせる手腕凄い。
「記憶こそが時間なんだ」というのが電王理論で、ヒーローはヒーローをヒーローとして認識している人がいるからこそヒーローでいられる。仮面ライダーの存在が現実でも虚構でも、仮面ライダーを愛し共に生きた人たちがいるのならそこに仮面ライダーは“いる”
桐生戦兎を桐生戦兎として覚えている万丈龍我がいるなら、それでそこに桐生戦兎は“いる”のだ。

 
ジオウスタッフが「ビルドっぽさ」を示す必要最低条件として「戦兎と万丈がイチャイチャする」を組み込んでいることが証明されてしまったな…
「このバカには理屈がわからなかったみたいだ」「こいつだけが残った」と話してる戦兎の横顔がものすごくやさしい表情してるのが窺えてね… キョロキョロしてた万丈が自分の方を振り向いたら「世界は理屈じゃないってことだ」ってヒーロー顔に戻るところがおまえホントおまえ…ってなる。
でも下山さんの描く戦兎はオープンデレ度が高いな……
最後の戦兎の「現実にいるとかいないとかよりも、誰か一人の記憶の中にでもいられれば、それでいい」という台詞、これだけだったら「誰のことだ?」「万丈でいいの?」「いやそこは視聴者じゃね」「どうとでもとれるようにしてるんじゃないの」と解釈戦争が起きそうだけど、ご丁寧に万丈の後ろ姿→くしゃみ→「あ?」とカットインさせてくれたので、論争の余地が無かった。これ以外に解釈しようないですよね????とばかりに公式がベストマッチ過激派。
劇場のスクリーンで相棒ガチデレかます桐生戦兎マジめんどくせえマジたち悪ィ。というかTV本編や劇場版をずっと書いてきた人とは異なる脚本家によってあんな高湿度かまされても視聴者と解釈が一致する桐生戦兎とは。
戦兎の場合単に照れて素直になれないというだけでなく、演出や演技のせいで「自分の抱えているものが重いのを自覚しているから言わない(言えない)」ように見えるのがヨロシクナイんだと思う。
マシンビルダーに乗らずに地べたに座り込んでる万丈龍我が万丈龍我すぎる。ご主人様の帰りを待つ忠犬のよう。
とうとう観る側の脳内アフレコに委ねてきよった……
エンドロールの戦兎と万丈が2ケツしてるところ、音声が欲しいって人何人か見たけど、あれは「ビルド観てた人なら台詞脳内再生できるでしょ???」という観客への信頼ありきの見せ方なので、むしろ音声が入ってなくても成立する域に達しているんだとひっくり返りそうになった。
これビルド観てない人にはどう見えるんだろうとふと思う。

 

平ジェネFOREVERの戦兎、ティードに対してもソウゴに対しても、ひとつの戦いを終えたヒーローとしてかっこいいこと言ってる…と思って観てると最終的に「俺の相棒すごいでしょ?バカでしょ??最っ高でしょ???」というベストマッチハラスメントに着地するので脳が混乱する。えっここでノロケのターンに入るの??

 

調べてる人がいて(この時点でもう笑っちゃう)気づいたんですけど、平ジェネFOREVERのベストマッチ、万丈は何回も「戦兎」って呼んでるけど戦兎は一度も万丈の名前呼んでなくて、でも「このバカ」「こいつ」「誰か一人」って名前を出さずに示す相手はほぼイコールで万丈のことなんですよね…

  
去年平ジェネFINALでパラドに対して「自分のいるべき場所があるってのは、最高だな」と言った戦兎が、一年後のFOREVERで「誰か一人の記憶の中にでもいられれば」(ここでくしゃみをする万丈のカットが入る)と言いながら自分を待ってる万丈のところに“帰って”いってギャンギャンやりながら2ケツで走って行くのホントさあ……

 

ファイナルステージって賑々しいお祭りって感じだよねと思って観に行ったらアレで、冬映画のメインはジオウと平成ライダーでビルドは華を添える程度だよね思って観に行くとコレなので、そうかこれが福利厚生がしっかりしてるってやつか…

 

 一貫してライダーとしての記憶を保持してる万丈が怪我してるカズミンを置いてでも襲われてる人たちを助けに飛び込んで行くのと、ライダーの記憶を持たないカズミンがライダーを信じなくなりつつあったアタルの手を振り払っちゃうの、上手い表現だと思うけどな。
ビルドライダーズってみんな「生まれながらのヒーロー」じゃないですもんね。
あそこで手を振り払わないとしたら葛城巧でも万丈龍我でも猿渡一海でもなく氷室幻徳かな…

 

 (白倉さんのリプ欄を読みながら) 今作のライダーとその関係者たちは、虚構として各本編のキャラを正確にトレースした存在って考えればいいかな。ソウゴはジオウ本編のソウゴを再現してるから戦兎と龍我を知ってるけど、戦兎と万丈はビルド本編終了後の二人を再現してるのでおこがましい未来人については知らない。アタルによる再現度高い。
前にもこんなことあったな……
MOVIE大戦フルスロットルの戒斗さんといい平ジェネFOREVERのアンクグリードといいみんな無駄に再現度が高すぎるんだよ。それで失敗してどうする。これだから技術に凝るやつはダメなんだ。

 

 

平ジェネ無印やFINALが「仮面ライダー映画ってこういうのでしょ!!!」映画なら、FOREVERは「平成仮面ライダーとはこういうものです」映画で、ファン目線と作り手目線の違いがわかるよなあと…
ビルド最終回が世界5分前仮説なら、平ジェネFOREVERはシミュレーション仮説や箱庭論ですよね。
電王理論もディケイド完結編もビルド最終回も同じよねつまるところ。

 

 

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正直想像していたよりもずっと楽しめる映画でした。
各所の感想を読むと、煮詰まったライダーオタクたちがいかに白倉Pと平成ライダーというコンテンツを信頼していないかがわかりますね!!
特に電王は便利アイテム扱いの雑な客演の憂さをやっっっと晴らせたという思いで感慨もひとしお……でも今までのことを忘れてはやらない。
ビルドはもっとあっさりした扱いでもいいのになんだか気を遣っていただいてありがとうございます。おかげで「ベストマッチハラスメント」なる新造語が生まれました。
なんだかんだ青空マイティキックで泣きそうになるオタクでした。

 

まだ1月中にVシネクストクローズと超英雄祭がある…特オタの新年は熱い…